『二日目のおでんを食べようとしたら白い膜が張っていた!』
白い膜は大体の場合は牛すじや、油分の多い具材から出た『油脂』であることが多いです。
この場合は、温めると溶けるので心配なく食べる事ができます。
しかし、おでんは腐りやすいです。
保管している状況にもよりますが、1日立たずに腐ってしまう事もあります。
この記事では、
- おでんに張った白い膜の正体
- おでんが腐っているか見分けるポイント
- おでんの保存方法
を紹介します。
時間をおいたおでんを食べようと思っている方は、ぜひ一度チェックして、おでんが食べられる状態か確認してみてくださいね。
おでんに張っている白い膜の正体は?
おでんに白い膜が張っている場合は、
- 油脂
- 産膜酵母
である事が多いです。
このどちらかである場合は、腐っているわけではありません。
でも、その他にも匂いや見た目に異常があるなら、腐っている可能性があります。
その場合は後に記載している
『おでんが腐っているか見分けるポイント』
を参考にして、食べれそうかどうか確認してみてくださいね。
では白い膜の正体について解説していきます。
油脂
おでんの汁にプカプカと丸い白いものが浮かんでいたら、牛すじなどの脂の多い具材からでた脂が冷え固まったものの可能性が高いです。
- 前日に作ってすぐに冷まして冷蔵庫に入れた
- 白い膜以外に匂い見た目の変化がない
このような場合は、だいたいこの油脂である事が多いです。
もちろん具材から出た脂なので害はありません、食べても大丈夫です。
油脂は油なので、手で触って確認してみるとベトっとなって、指がぬるぬるします。
また、火にかけて温まると溶けてなくなり、透明な脂になります。
気になるようであれば、そのまま冷えた状態の油脂を取り除けば大丈夫です。
余分な脂のないおでんを楽しめますよ。
産膜酵母
油脂とはちょっと違う、白い膜が張っている場合は産膜酵母の可能性が高いです。
産膜酵母とは酵母菌の一種で、醤油を作る時にも発生するそうです。
以下、醤油の基礎知識から引用します。
酵母菌の一種です。
耐塩性(塩分濃度の高い過酷な環境でも生育できる特性)のある酵母の一種で、白い膜を作り出す特徴があります。身近なところでは、梅干の表面に発生する白い粉状のものなどの仲間です。
昔の醤油には日常的に発生していたもので、ガーゼなどでろ過して使用していたそうです。ただ、この「産膜酵母」は、醤油中の旨味成分を栄養源とするために、時間が経つほど商品が劣化してしまうのでそのまま放置することはお薦めできません。現代の醤油の多くは防腐剤や保存料の添加で完全に発生しないようになっていますが、無添加の醤油に関しては発生することが稀にあります。
醤油職人
白カビと間違えられる事も多いですが、産膜酵母は酵母菌の一種で人体への影響もなく無害です。
空気を好む菌なので、おでんの場合汁の上に膜が張ったように発生しています。
産膜酵母の場合食べても問題はないのですが、白い膜を取り除いて一度しっかりと過熱して、おでんの様子をみてみましょう。
加熱してみて、匂いや見た目に異常がなければ問題なく食べれるかと思います。
しかし、産膜酵母が発生しているということは、発酵が進んでいる証拠です。
そのままにしておくと酸っぱくなったり、やがて腐ってしまいます。
早いうちに食べ切ってしまいましょう。
おでんは腐りやすい
おでんは寒い冬によく作ることから、なんとなく日持ちするように感じたり、
『火を通せば大丈夫!』
とよく思われがちですが、実はとても腐りやすいんです。
作った次の日には腐っていた!という声が多いですが、中には朝仕込んだおでんが夜食べる時には酸っぱい匂いがした!という事もあります。
おでんには水分を多く含んだ食材
- 大根
- じゃがいも
- こんにゃく
を入れる事が多いですね。
これらは水分が多い分痛みやすいです。
また、たんぱく質を多く含む
- 卵
- 練り物
は細菌の栄養源になります。
アツアツで食べる⇒具が多いからなかなか冷めない⇒冷めないから冷蔵庫に入れられない⇒朝まで常温で放置
としていないですか?
冬で寒いから大丈夫!と思っていても、痛みやすい具材の入ったおでんはゆっくり温度が下がっていく過程で、細菌がどんどん繁殖してしまいます。
おでんが腐っているか見分けるポイント
おでんが腐っていると以下のような状態になります。
この場合は腐っているので、しっかり見極めて食べずに破棄しましょう。
- 変な匂いがしないか
- 泡立っていないか
- ネバネバと糸を引いていないか
- ぬるぬるとぬめっていないか
変な匂いがしないか
おでんといえばお出汁のいい匂いがしますよね。
その匂いが不安をそそるような『酸っぱい匂い』『カビくさいニオイ』である場合は痛みが進んでいます。
あまりにおかしな匂いだと食欲をなくしますよね。
嗅覚が『これは危険だ!』と察知してくれているんです。
そんな時は、それに従いおでんを食べるのは諦めましょう。
泡立っていないか
おでんを温め直した時に白い泡がたち、その泡が冷めても消えない場合は具材が傷んでいます。
具材が傷んだ事からとろみが出て、そのとろみと空気が混ざり合ったことで泡がたちます。
なので泡が立って消えなければ、おでんは腐ってしまっているという事になります。
ネバネバと糸を引いていないか
具材を持ち上げた時に、納豆のようにネバーっと糸をひいていたら腐っています。
昆布が具材で入っている場合は、その昆布のとろみという場合もあります。
判別が難しい場合は、匂いで確認してみましょう。
ぬるぬるとぬめっていないか
出汁が作ったときよりもとろみが出ていたり、具材がぬめぬめとしていれば腐っています。
昆布や具材から出る油分によってとろみもつきますが、腐っている場合はそれ以上にとろみが出ます。
判別がつけにくい場合は、一度温め直し、泡が立っていないか、匂いは正常であるかを確認してみてください。
おでんを長く楽しむ保存方法
おでんは具材も多く長く煮込むので、一度に何日か分を作ってしまうという方も多いかと思います。
『毎日火にかければ大丈夫!』
とよく聞きますが、確かに火にかける事はとても大切ですが、
問題なのは『冷まし方』です。
おでんを腐らせてしまう細菌は25度くらいの温度であると増殖します。
たくさん具材の入ったおでんは特に冷めにくく、ゆっくりと温度が下がっていくので、その間に細菌が増殖していきます。
蓋を締め切っていると、熱の逃げ場がなくさらに細菌が増殖してしまいます。
おでんの保管は冷蔵庫で
おでんを次の日も食べるという場合は、冷蔵庫で保管しましょう。
- 食べ終えたらすぐにおでんの具をざるの上にあげ、汁をきる
- 具はなるべく重ならないように並べる
- 汁は保存容器に入れる
- 具、汁の粗熱をとる
- 具、汁を別々のまま冷蔵庫に入れる
次の日に食べるときは汁と食べる量の具材を取り出し、十分に火にかけてから食べましょう。
数日持たせる場合は冷凍庫へ
おでんは冷凍もできますが、冷凍すると食感が変わって美味しくなくなってしまうものがあります。
冷凍に向かない具材
- 大根
- こんにゃく
- じゃがいも
- 豆腐
- 卵
冷凍する場合はこれらの具材を取り除いておきましょう。
冷凍に不向きな具材は、冷蔵庫に入れて、早いうちに召し上がってくださいね。
- おでんの具材をざるにあげて汁と分ける
- 具材と汁を別容器で冷ます
- 十分に冷めたら同じ保存容器に入れて蓋をして冷凍保管する
冷凍したおでんは1か月以内に召し上がってください。
食べる時は前日に冷蔵庫に入れて解凍し、十分に火にかけて温めてくださいね。
おでんは早めに食べ切ろう!少しでも異変を感じたら注意!
おでんは日持ちするイメージや、何日もかけて食べるイメージがあります。
が、実際は
- 傷みやすく水分が多い具材
- 細菌が好むたんぱく質の多い具材
- 常温保存で細菌が好む温度が長い
と常温で放置していると痛みやすいです。
火にかけたから大丈夫!と鍋にいれたままにしていると、一日も持たずに腐ってしまいます。
できるだけ早く食べ切るか、冷蔵、冷凍で保管してくださいね。
また、匂いや見た目に異変を感じたら腐っています。
危険ですので食べるのを諦めて破棄してくださいね。