秋も終わりに近づいた夕暮れの空をふわふわと漂う、
白くて小さな虫の群れを見たことがありますか?
アブラムシの仲間で初雪が降る前に現れて
本物の雪が舞っているかのように飛ぶため、
北海道では「雪虫」と呼ばれています。
なんともロマンチックですね。
そんな雪虫ですが、実際は毎年秋の終わりに大量発生して、
人々の生活にさまざまな被害をもたらす害虫でもあるんです!
今回は雪虫の生態と大量に発生する時期とその理由、
そして、駆除や対処方法について調査してまとめました。
- 白い小さくてふわふわな虫の名前は?
- 白い虫が外に大量発生する時期と理由
- 白くて小さいふわふわな虫の駆除方法と対処法
- 外出時の対処法
- 白い小さくてふわふわな虫の名前は?大量発生する理由と駆除方法を調査まとめ
白い小さくてふわふわな虫の名前は?
白い小さくてふわふわしている小さな虫の正体は、
「ワタムシ」の一種でアブラムシと同じ仲間です。
主に北海道で「雪虫」と呼ばれ、秋の風物詩とされています。
普段見かけるアブラムシに羽はありませんが、
雪虫には羽の生える時期があるんですよ。
トドノネオオワタムシやリンゴワタムシが雪虫の代表格で、
体長は2〜4ミリで小指の先ほどの大きさしかありません。
白い綿のようなワックスを体にまとっており、
これが雪のように見えるのです。
ワックスは土や水分から身を守ったり、
空中を漂いやすくするために分泌されるといわれています。
北海道や東北地方を中心に生息しているのですが、
まれに本州や近畿地方で見かけたりすることも。
過去には大阪や京都でも大量に発生して、
SNSを騒がせたことがありました。
そんな雪虫の寿命はわずか1週間!
冬の訪れを告げる使者であり、とても短命な虫なのです。
白い虫が外に大量発生する時期と理由
毎年10月~12月頃になると空を覆うほど多くの雪虫が現れ、
北海道では大量発生のニュースが流れます。
なぜこの時期に起こるのでしょうか?
それは、雪虫が産卵のため一斉に引っ越しをするからです。
雪虫は季節によって住み処を変える虫で、
春から秋の間は樹木の根っこで生活しています。
この時点で雪虫に羽はありません。
晩秋になると産卵のために別の樹木へ引っ越さなければならず、
このとき一斉に羽を生やし、風に乗って飛んでいきます。
雪虫の大量発生は引っ越し中の姿なんですね。
北海道で多く生息するトドノネオオワタムシの場合、
トドマツからヤチダモへ引っ越しをする時期が、
晩秋のちょうど初雪前に当たります。
昔から雪虫が飛ぶと2週間前後で初雪が降るとされ、
最近では雪虫発生から初雪までの日数調査も行われました。
SNSを利用した調査結果は平均21日前後だったそうです。
晩秋の初雪が降る前、天気が良く風の強くない日は、
雪虫にとって絶好のお引っ越し日和なんですよ。
白くて小さいふわふわな虫の駆除方法と対処法
数匹がふわふわと飛んでいるだけなら無害な雪虫ですが、
大量発生すると人々の生活にさまざまな被害をもたらします。
- 視界が悪くなって交通の妨げになる
- 立っているだけで目や口の中に入ってくる
- 衣服や車が雪虫だらけになる
- 雪虫を吸い込んだり、触れたりすることでアレルギーの要因に。
人々にとっては迷惑で不快な現象なのですが、
殺虫剤を使ってまで雪虫を駆除する必要はありません。
雪虫は寿命が短いだけでなくとても弱い生き物。
人の体温くらいの熱でも弱ってしまったり、
わずかな接触で息絶えてしまうほどの弱さです。
また、風に乗って何万匹も飛んできますから、
駆除しようにもキリがありません。
大量発生は長く続かず、大抵1週間程度で収まります。
この時期は外出を避けるか、対策して乗り切りましょう。
外出時の対処法
メガネやサングラス、マスクをする。
マスクは口だけでなく鼻まで覆うようにして、
虫が入り込むスキを作らないようにします。
帽子やスカーフをかぶる
髪は雪虫がつくと取り除きにくい場所です。
また、この時期は静電気のせいでくっつきやすいので、
髪全体を覆うようにしましょう。
上着は表面がツルツルした素材のものを選ぶ
綿やウールなど毛足の長いマフラーやコートにつくと、
取り除くのにとても苦労します。
撥水加工されたレインコートなどがおすすめです。
樹木のそばを避ける
雪虫は樹木を好むので、樹木の近くを歩かないようにしましょう。
ゆっくり歩く
走ったり、自転車に乗ってスピードを出したりすると、
雪虫が衣服にたくさんついてしまいます。
静かにゆっくり移動するようにしましょう。
服や物に雪虫がくっついてしまったとき、
手で払うとつぶれて白いシミになってしまいます。
掃除機で吸い取るか、息を吹きかけて飛ばすようにすると、
シミを作らずにすみますよ。
白い小さくてふわふわな虫の名前は?大量発生する理由と駆除方法を調査まとめ
- 白い小さくてふわふわな虫はアブラムシの仲間で雪虫と呼ばれている。
- 雪虫が外に大量発生する時期は晩秋の初雪が降る前。その時期に産卵のため木から木へと一斉に空を飛んで移動する。
- 雪虫を積極的に駆除する必要はないが、外出時の対策は必要。
大量に発生すると厄介な雪虫ですが、
北海道では秋の風物詩として俳句の季語になるほど
身近な存在でもあります。
晩秋の北海道を観光する予定がある人は、
雪虫対策を忘れずにしておきましょうね。